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電気代の計算方法(家電の消費電力からの算出)
よく家電にシール付けで表示されているような消費電力から、どれくらいの電気代がかかるのかを計算する方法をご紹介いたします。まず、大前提として覚えていただきたいことが次の概念です。
1kWhあたりの単価は、各電力会社や各利用プラン、また使用する時間などによって異なります。一般的に目安となる1kWhの電気代は「公益法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」の指標をもとに「1kWh±27円」で計算されることが多くなっています。このため、当サイトでもこの数値を用いて計算させていただきます。
家電の消費電力から月額電気料金を求める手順(公式)
各家電の月額電気料金を求める手順を簡単に公式化すると、以下のようになります。
- 表示ラベルの消費電力量をkWに単位変換する
W表示なら1,000で割る - 上記に平均単価±27円を掛ける
その家電の「1時間あたりの電気利用料金」が判明 - 上記に1日の使用想定時間を掛ける
その家電の「1日あたりの電気利用料金」が判明 - 上記に月の使用回数を掛ける
その家電の「1ヶ月あたりの電気利用料金」が判明
では、早速この公式に当てはめて計算してみましょう。
例1.ドライヤー 1,200W程度
例として「消費電力が大きな家電」としてそこそこの「隠れキャラ」になっている「ドライヤー」で1ヶ月の電気代を考えてみたいと思います。
- 1,200W ÷ 1,000 = 消費電力は1.2kW
- 1.2kW × 27円(電力会社のkWh単価)= 1時間で32.4円
- 32.4円/h × 0.25h(15分)× 2回 = 1日に15分使用を2度で16.2円
- 16.2円/日 × 30日 = 1ヶ月で486円程度
月額500円未満ということで、一見大した金額ではないように映りますが、この1時間に32.4円という数値は、次に例を挙げる「こたつ」に置き換えると、7.5時間も使用できるという数値です。ドライヤー1回の約15分使用で考えても、こたつならその電力で2時間程度ほっこりできるという数値になります。
だからと言って、こたつにもぐって髪を乾かせとは言いませんが、ドライヤーはそれくらい「電力喰い虫」であることを少し頭の片隅に置いておくと良いかもしれませんね。髪がロングの女性だと、ドライヤーだけで月に1,000円程度の電気代を使用することになるかもしれません。
例2.こたつ 600W 平均的には±160W程度
冬に暖を取る際に、もっとも節約効果の高い「こたつ」について考えてみます。「こたつ」の電気代を考えるときに理解しておくべきことは、表示されている消費電力(W)は、スイッチをオンした直後の最大消費電力量だということです。
数分程度を経過して「こたつ」の中が温まると、消費される電力がぐっと抑えられます。この点を理解して計算しないと意味がありませんのでご注意ください。
600W表示の石英管ヒーターなら、「強」で200W、「弱」で80W程度
こたつユニットの種類としては、大きく「石英管ヒーター」と「ハロゲンヒーター」に分かれます。ハロゲンヒーターの方が幾分消費電力が高いようですが、平均的にはどちらのケースでも600W前後になると思います(天板サイズなどで変わります)。ここでは「薄型石英管ヒーター(600W)」が組み込まれているこたつで1ヶ月の電気代を計算してみます。
たえば、消費電力600Wと記載されている「こたつ」の場合であれば、電源をオンにした直後は600W程度の電力量を消費し、数分経過後「こたつ」が温まってからは、「弱」運転時で80W程度、「強」運転時で200W程度の消費電力になると言われています。
ご家庭により使用環境は異なりますが、筆者個人の使用状況をイメージして当記事では「160Wをこたつ使用電力の基準値(平均値)」とさせていただきます。「少し強め+アルファの値」をイメージし、スイッチオンの際の最大消費電力を加味したものです。
- 160W(平均値目安)÷ 1,000 = 消費電力は0.16kW
- 0.16kW × 27円(電力会社のkWh単価)= 1時間で4.32円
- 4.32円/h × 15h = 1日約15時間のフル使用で64.8円
- 64.8円/日 × 30日 = 1ヶ月で1,944円程度
このように、こたつは冬に暖を取る際に月額2,000円もあれば事足りるということになります。実際のところ、15時間付けっぱなしの30日間フル稼働はありえないと思いますが、寝てる時以外は付けているという条件で計算してみました。
脱線モード突入
ちなみに、私は次のような「ダイニングこたつ」を机代わりに使用しています(これが薄型石英管タイプで600Wです)。高さ調節機能があるため、寒くなり始めるまでは完全脚長で真っ裸使用。秋が深まる頃には脚長のままこたつ布団を被せて「ダイニングこたつ」として使用。本格的に寒さが到来すると、脚が短くなって私の動きも鈍るという流れになっています。
こちらのコタツ(横135cm×奥行80cm×高さ70cm)の前にはDIY自作した「PCモニター台(奥行27cm×横幅160cm×高さ70cm)」があり、ここに21.5インチモニター2枚、+24.1インチモニター2枚を載せ、その下にデスクトップPCなどが搭載されています。文章を書くことがメイン業務になってきましたので、筆者なりのオフィス環境といったところです。
もしもブログ屋さんなどで「書くこと」を仕事にしたい場合は、こちらをベースにPC環境を整えると、当初収益が安定してくるまでの厳しい冬の季節も節電効果でうまく乗り切れるかもしれません。誰も興味ないとは思いますが、一応CAD(JW CAD)の平面図を載せておきます。
上記の「ダイニングこたつ」を脚長で運用しているときは、この極薄パソコン要塞と高さにおいて面一ドッキングします。寒くなってきて、こたつの足を短くしたときは、モニターポールでモニターを一番下まで下げると、ちょうど良い目線位置になるという計算された設計です。もちろん、ただの自己満足ですよ…(笑)。でも、詳しく知りたい方は「お問い合わせ」からご連絡ください。
新しいこたつ「カーボンフラットヒーター」も登場!!
軌道修正
省エネということで言うと、最近のこたつは「石英管ヒーター」や「ハロゲンヒーター」とは異なるものとして、「カーボンフラットヒーター」と呼ばれるものも採用され始めているようです。
こたつの裏に薄いカーボンヒーターが貼り付けられているもので、こたつ名としては「フラットヒーターこたつ」といった名称が当てられています。消費電力は200W~300W程度(約半分)となっており、幾分「ぬるい」といった印象も持たれるようですが、会社デスクの足元に設置するようなタイプも出ているようです。従来までのこたつよりも、更に節電効果が見込めるということですので、令和時代の冬物家電として絶対的な地位を確立するのではないでしょうか。
新規にこたつを買い替えるご予定がある場合は、このタイプのものを選ぶと冬の節電対策は万全のものとなるでしょう。私もいずれヒーター部分だけこのタイプのものに取り換える予定です。
例3.電気ストーブ(カーボンヒーター 強900W・弱450W)
では、最後に「電気ストーブ」を使用した場合の電気代を計算してみましょう。アマゾンで安定した人気を誇る「電気ストーブ」(カーボンヒーター式)で考えています。
カーボンヒーター式の電気ストーブでは、消費電力が「強900W・弱450W」程度となっていて、ハロゲンヒーター式のものについては、平均的に「強1,000W・中700W・弱400W」程度となっています。
一日にどれくらいの時間使うかは環境により異なると思います。電気ストーブのみで冬をしのぐというケースはあまりないと思いますので、使用時間も個々でかなりのバラつきがあるでしょう。よって、「強」の場合の1時間の電気代、「弱」の場合の1時間の電気代までの算出に留めておきます。
- 900W ÷ 1,000 = 消費電力は0.9kW
- 0.9kW × 27円(電力会社のkWh単価)= 1時間で24.3円
- 450W ÷ 1,000 = 消費電力は0.45kW
- 0.45kW × 27円(電力会社のkWh単価)= 1時間で12.15円
1時間で24.3円を高く見るかどうかは人それぞれでしょう。ただ、「こたつ」だと「やや強め」運転でも1時間4.32円で済みますので、比較すると最低でも3倍程度、多くて5・6倍ものコスト高になることが分かります。逆に言うと、いかに「こたつ」が経済的なのかということですね。
電気ストーブは見た目にもスマートで便利なのですが、この事実を知るとやはり冬は「こたつ」一択と言わざるを得ません。
家電の電気代の計算方法のまとめ
簡単ではございますが、家電に表示されている消費電力(W)から実際の電気代を算出する方法をご紹介しました。今回は主に冬の家電に焦点を当てましたが、基本的にはどの家電でも計算方法は同じだとお考えください。
ただ、クーラーに関しては、こたつと同じように電源をオンにした時に一番電気代を消費するという特性があり、省エネ機能のあり方がメーカーや機種、製造年度や型番によって大きく異なります。一概に「運転継続中はいくらくらいの消費電力」と言いにくいことがあり、それを含めて「こたつ」を選んだということもあります。
クーラーのおおよその電気料金については、機種やメーカーを特定することである程度見えてきます。各メーカーのパンフレットやホームページ、家電量販店等でも年間電気代などが確認できますので、それらを参考にしながら実際に電卓をたたいてみるのも良いでしょう。
また、コンセントに挿しておけば実際の消費電力がどうなっているのかを確認できるアイテムも実は既に存在しています。概算ではなく事実として「今何w使用しているのか」「1時間でいくらなのか」「そこに繋がっている家電の積算使用電力量は何kWhなのか」が一目瞭然になります。全てのコンセントに付けておく必要はありませんが、一家に一つあると重宝するはずです。
ということで、最後までご覧いただきありがとうございました。当記事が皆さまのエコライフに役立てば幸いです。