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揚げ足取り(マインティング)は、低レベルだと認識すること
筆者も誰かの間違いを指摘したくなることはありますが、そのような場合は「揚げ足を取るのは簡単なこと。でも今日は黒子役になってあげよう…」という言葉を思い返すようにしています。
なぜかと言うと、面と向かって間違いを指摘してもポジティブな広がりは生まれないからです(むしろ、負のスパイラルに繋がるケールが多いです)。また、そもそも揚げ足を取るのはとても簡単で、ある意味では「卑怯な攻め方(公平性にかける指摘)」だとよく理解しているからです。
細かなことが気になる性格ではあるものの、やはり一呼吸おいて無益な言葉を発してしまわないように注意します。このような傾向にある方、ぜひ参考になさってください。
「揚げ足を取るのは至って簡単」なワケ
揚げ足を取るのは非常に簡単です。自分なりに「これは間違いない」と確信の持てる箇所についてのみ「それはおかしい!」と声を上げるだけだからです。まだ10代や20代で社会的経験が浅い場合は難しいケースも考えられますが、30年40年と歳を重ねた人物であれば、自分なりに「これは確かだ!」という局面はあるでしょう。これが巡ってきたときに「そこは違いますよね」とピンポイントの指摘をすれば完了です。
揚げ足を取る(≒難癖をつける)行為は、「揺るぎない確信」の中で実行されるケースが多いです。相手はそのとき「動」の中にあり(その最中であり)、自分は「静」の側にいることが大半です。立場上も自分の方が物事を冷静に評価できるため、そもそもこちらの側に優位性があります。このため、マウンティング(粗探し)は「される立場」に比べ「する側」にはとても容易いことなのです。
また、視点を変えると、生きれば生きるほど少しずつ周りには自分よりも経験の浅い人たちが増えていきます。自分の正誤判断よりも幾分不完全なフィルターで歩む若者が増えてきますので、歳を重ねて成熟すればするほど周囲の間違いは嫌でも目に付くようになってきます。
SNSだと更に簡単…
現代では「スマホ」というツールが手元にあるため、情報がリアルタイムで共有されます。面と向かわずに言葉を発信できるだけでなく、「第三者」という仮面をまとうことで優位性まで付与されます。初めから盾を持った状態で(相手の反撃を防ぎやすい状態で)攻撃することが可能になるため、SNSから揚げ足を取ることは輪をかけて簡単になります。
このせいか、「マウントを取ること(マウントすること)」が癖になってしまうケースも散見されます。マウントを取ったからといって偉くなったわけでもないのですが、「自分が共感されたい」「我先に認められたい」「自分の方が視点が上」といった優越感を追う動きが加速し、「本来なら指摘しなくても良い間違い探し」を始める人も増えています。誰だって自分が間違う可能性があることを知っているはずなのに、何とも不幸な世界になってしまったものです…。
求めるべきは、指摘せずに整えること!
本来、褒められるべきは「揚げ足を取る行為」の逆をすることです。相手が正しいルートへと戻れるように、遠巻きからその道のりを整えてあげることです。
不完全なアクションを懐大きく受け止め、間違いと指摘することなく相手が自ら軌道修正できるように黒子役になる…。これは口で言うほど簡単なことではありません。ですが、それができれば本人は恥をかきませんので、内省もしやすくなり、後にネガティブな影響を残しにくくなります。そればかりか、こちらにとっても快適な環境がじわりじわりと整いやすくなっていきます。
多くの場合、人生では難しいルートにこそ正解がある
筆者も含め、人は易きに流れる傾向を持っていますが、人生では難しいルートの方にこそ正解がある場合が多いです。一般的には「的に対して中心を射抜くこと」に集中し、自己満足という名の快楽を求めたくなりますが、場合によっては「あえて的を外して逃げ道を確保してあげること」の方がうまく物事を流せるケースがあります。
またあの人の間違いを指摘したくなったとき、ついつい揚げ足を取りたくなっている自分を見つけたとき、一歩引いて「黒子役になって整えてあげること」ができるようなオトナを目指してみませんか。
少し的を外してあげる心の余裕を…♪
特にSNSが日常生活の中で大きな割合を占めている場合、あるいは上司という立場で部下を導かなければならない職責にある場合、相手との距離の取り方は非常に大切になってきます。あえて「少し的を外してあげること」は相手のためでありつつ、自分のためにもなってきます。
人は自分で変わろうとしない限り絶対に本心から変わることなどできません。優越感を得るために間違いを指摘しているのか、正しい判断ができるようになった相手と気持ちよく歩みたいのか、この点を意識できていれば、選ぶ言葉や立ち振る舞いは自ずと決まってくるのではないでしょうか。